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DCモーターの制御

DCモーターは回転数を自由に変えることができるモーターですが、回転数を一定に保つには駆動電圧を変化させる必要があります。DCモーターの駆動電圧を変化させるやり方は「リニア方式」と「PWM方式」の2つ。それぞれの特徴についてまとめました。また、回転数の制御方法も解説します。

DCモーターはどのように制御する?

モーターの回転数にはトルクと電流が関係しています。トルクの駆動電圧を2倍にすると、負荷を加えないときの回転数も2倍。モーターが始動するときのトルクも2倍になります。ということは、モーターにかける電圧を変えるとトルクも変化させることができるのです。

では、DCモーターを必要な分だけ回転させるにはどうすればよいのでしょう。DCモーターを必要な回転数で回すには、駆動電圧を変えること。DCモーターは、駆動電圧を調整することで任意の回転数になるのです。駆動電圧を変化させるためにはどのような方法があるのでしょう。駆動電圧とは?駆動電圧には2つの方式があります。駆動電圧の方式について詳しくご説明します。

駆動電圧とは

駆動電圧の方式は、リニア方式とPWM方式の2つ。

リニア方式は、モーターと直立に可変抵抗をつないで抵抗値を変化させ、モーターにかかる電圧を変える方法。半導体のトランジスタに使用されていましたが、半導体の発熱が大きく効率が悪いので今は使われていないようです。

PWM方式は、トランジスタやFETなどの半導体スイッチで素早くオンとオフの切り替えを繰り返し、オンとオフのパルス幅を変化させて電圧を変える方法です。リニア方式よりも効率が良いので現在ではPWM方式が主流となっています。

回転数の制御方法

モーター回転数を制御するには、負荷変動に対して駆動電圧を常に変化させることです。回転数値とそれに必要な回転数の差を計算して、回転数が低い場合は駆動電圧を上げ、高い場合は駆動電圧を下げると回転数を一定に保つことができるというわけです。

駆動電圧の制御はアナログ回路に代わり、今ではマイクロコンピューターが使用されるようになりました。

DCモーター制御時の課題点

DCモーターの制御を行っていく上で解決すべき課題や注意すべきポイントなどについて、特に重要なものを解説しています。

負荷トルクの変化への対応

モーターを取り巻く外部条件や内部条件、また負荷の状態などが変化することによって負荷トルクも変化する点に注意しなければなりません。負荷トルクが変化するとモーターが実際に稼働する際の速度にも影響が及びます。

残留偏差の解消

速度制御が安定している状態でも、目標速度と実際の速度では誤差が生じます。これを残留偏差と呼び、要求精度を追求するほど課題として解決の必要性が増していくでしょう。

応答性と位相差の解決

慣性モーメントによって生じる、駆動トルクに対する回転速度の遅れの位相差も無視できません。回転速度を上げようと入力電圧を増大させても、応答性が悪化すれば回転速度は遅れてしまいます。

目標速度までいかに速く実際の速度を近づけるか、応答性の向上は重要な課題です。

DCモーターの制御方式

DCモーターの制御における課題を解決するため、具体的な方法として課題ごとの制御方式の工夫が挙げられます。

ハードウェアを使った速度制御

ハードウェアによって速度制御を行う場合、ICによる制御回路の構成を土台として、速度フィードバックと位相フィードバックという2種類のフィードバックを利用します。

速度フィードバックでは、センサによって実際の速度と目標速度との差を検出し、それをフィードバックさせることで速度制御を行うことが特徴です。

一方の位相フィードバックでは、PLL(Phase Locked Loop)を利用した制御となっており、センサによって検知される現在の位置パルス信号と、目標位置のパルス信号との位相差にもとづいてフィードバック制御を実行します。

両方の仕組みを併用することで残留偏差を低減させられることがポイントです。

機械的制御のため制御量が固定されてしまうデメリットもありますが、個別調整を必要としない市販品や規格品であれば、コストを抑えつつ制御品質を高めることが可能です。

ソフトウェアを使った速度制御

ソフトウェアによる速度制御では、制御器にマイコンを導入してPID制御を実行します。なお「PID」は「Proportion・Integral・Differential」の頭文字を取って並べた略称であり、それぞれ「比例・積分・微分」を意味しています。

つまりソフトウェア制御では、実際の速度と目標速度の間に生じている差について、数値をセンサで検出した上で数学的に計算し、残留偏差を最小限に抑えられるよう調整バランスを行うことが特徴です。

マイコンによる調整であるため、制御特性が任意に調節可能となっており、モーター製品ごとの制御特性調整を実行できることも強みです。

デメリットとしてはハードウェア制御より高コストになりがちといったものがあります。

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