ブラシ付きDCモータ

2つに分類されるブラシ付きDCモータ

直流電源で動作させるDCモータのうち、ブラシを使った機構で動かすのがブラシ付きDCモータです。ブラシ付きDCモータには起動トルクが大きい、高速回転ができる、回転数とトルクを電圧によって制御できる、といった特徴があります。

ブラシ付きDCモータには、大きくわけて2つの種類があります。1つは永久磁石界磁型。もう1つが電磁石界磁型です。永久磁石界磁型と電磁石界磁型は、用途やモーターの大きさによって使い分けられています。

永久磁石界磁型

永久磁石を使って界磁を発生させるモーター型式。固定子に永久磁石、回転子側にコイルを使用しており、自動車補機用モーターをはじめとした模型用モーターなど、世界中で多く使用されています。

電磁石界磁型

電磁石で磁界を発生させる型式で、中型モータ～大型モータに多く採用されているモーターです。さらに結線方式の違いによって「分巻モータ」「直巻モータ」「他励モータ」に分類されます。

ブラシ付きDCモータの仕組みとは

ブラシ付きDCモータは、コイルを使用した回転子（ロータ）の周りに磁石（固定子。ステーター）が取り付けられているのが特徴です。

コイルの両端は整流子に接続され、整流子は電極であるブラシと接触しています。ブラシには直流の電気が流れており、整流子と接触するとコイルに電気が流れるというしくみです。

回転速度を上げたいとき、印加する電圧を調整すれば容易に速度を制御することができるのもブラシ付きDCモータならではの特性といえるでしょう。

ブラシ付きDCモータのデメリット

構造・仕組みが比較的単純で、初期コストを低く抑えられるブラシ付きDCモータですが、デメリットがないわけではありません。

ブラシと整流子が接触するため、摩擦による電気ノイズや騒音もそれなりに発生してしまいます。また、摩擦による部品の摩耗によって、経年劣化してしまうのも避けられません。そのためブラシレスに比べると寿命も短く、少しでも寿命を延ばすために定期的なメンテナンスが欠かせないのが、ブラシ付きDCモータの泣き所だといえます。

ブラシや整流子は消耗品であると理解したうえで、用途にあわせて採用するようにしましょう。

ブラシは劣化していく

ブラシと整流子は消耗品と考えてください。ブラシ付きDCモーターは、ブラシと整流子がいつも接触しています。当然、接触した状態で高速回転をするわけですから、電気ノイズがでますし、劣化するのです。

ブラシと整流子が接触した状態で回転すれば、摩擦が発生します。摩擦で徐々にブラシ部分が削れるために劣化するのです。金属製のブラシだと、摩耗すれば徐々に整流子と接触できない状態になって、電気が流れにくくなります。そのため、正常に動作しなくなるのです。ブラシと整流子は消耗品ですから、定期的なメンテナンスが求められます。

DCモーターはブラシ付きDCモータとブレしレスDCモータの2種類です。ブラシ付きDCモーターは、磁石の内側でコイルが回っています。ブラシと触れている整流子が切り替わることでコイルは回転を続けるため、モータが動く仕組みです。

ブラシレスDCモータでは、ブラシと整流子はずっと接触したまま回転をします。摩耗は免れないため定期的な好感やメンテナンスが求められるのです。

その他DCモーターに関する基礎知識

• ブラシレスDCモーターとは
• ブラシ付きモーターとブラシレスモーターの違い
• 小型・大型DCモータの用途