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ACモーターの回転数を制御するには

ACモーターの回転数は、機械や製品によって制御しなくてはいけません。回転数を制御する方法はいくつかありますが、モーターによっては速度変更が不可能です。このページでは、ACモーターの回転数を制御する方法と注意点をご紹介します。

電圧変化での速度調整はあまりできない

ACモーターは、電圧下げると回転数も下がります。しかし、電圧変化による速度調整はおすすめできません。印加電圧を変えても、回転数はさほど変化しないためです。調整できる回転数の幅も狭いため、細かなコントロールも難しいと考えておきましょう。

スピードコントローラーで速度を調整

ACモーターの回転数を制御したい時は、スピードコントローラーを利用しましょう。スピードコントローラーは、ACモーターの速度を調整できる制御回路のことです。ACモーターに速度を検出するレートジェネレータを組み合わせており、スピードコントロールモーターとも呼ばれます。

レートジェネレータは、ACモーターの後部に設置され、フィードバック信号を発信します。そしてスピードコントローラーは信号と設定速度と比較し、ACモーターの速度を制御する仕組みです。スピードコントローラーは電圧を制御することで、ACモーターの速度を変化させています。

スピードコントローラー使用時の注意

ただし、スピードコントローラーは低速域での利用に注意が必要です。連続して運転した場合、モーターが過剰に発熱してしまうおそれがあります。モーターへの負荷が強くならないよう、できるだけ短時間運転を意識しましょう。

速度変更ができないモーターもある

スピードコントローラーを使えば、ACモーターの回転数を制御できます。しかし、中には速度変更に対応していないモーターもあります。速度変更が不可能なものは、極数・電源周波数が固定されているACモーターです。

スピードコントローラーは、ACモーターの電圧を制御し、速度をコントロールしています。ところが、極数などが固定されていると、電圧が変化不可能なため速度変更もできません。スピードコントローラーを導入する際は、ACモーターの極数・電源周波数をチェックしましょう。

ACモーターの回転速度

ACモーターの回転速度は、同期回転速度と無負荷時回転速度に分けられます。同期回転速度は、モーターの極数と電源周波数によって決まる基本的な回転速度です。極数と電源周波数が同じなら、モーターが変わっても回転数は変わりません。

一方の無負荷時回転速度は、負荷をかけていない状態の回転速度をいいます。内部の負荷によって回転数が変わるため、同期回転速度と比べて遅い傾向があります。

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