DCモータ(モーター)とは直流のモーターのことで、英語の直流・Direct Currentを略してDCモータと呼ばれています。DCモータは小型でありながらも高いインバータ駆動特性と低騒音・高静粛性を備えているため、幅広いジャンルで採用されており現代の産業・社会において欠かすことのできないパーツです。
そんなDCモータは、大きく「ブラシ付き」と「ブラシレス」の2つに分類することができます。
ブラシ付きモーターは、ブラシと整流子によって回転を得る機構のモーターです。起動トルクが大きく、電圧によってトルクと回転数を制御できるのがブラシ付きモーターの特性。ブラシ付きモーターには永久磁石界磁型と電磁石界磁型があり、モーターの大きさや用途によって使い分けられています。
ブラシレスモーターはブラシや整流子を使わない方式のDCモータです。ブラシや整流子は使わず、半導体で電流を制御している点がブラシ付きモーターとの大きな相違点になります。アウターロータ方式とインナーロータ方式があり、いずれも騒音が少なく長寿命で、速度制御が安定している点が特徴です。
ブラシ付きモーターとブラシレスモーターの違いは、言うまでもなくブラシの有無です。このブラシの有無によって、大きく特性が異なっています。それぞれにメリット・デメリットがあるため、チェックしてみましょう。
ブラシ付きモーターと
ブラシレスモーターの
特性や違いを詳しく見る
DCモータのなかでも、モーターとギアヘッドを組み合わせたものがDCギアド(メーカーや業者によってはギヤド)モータです。ギア比を調整することで任意の回転数にできるのが特徴。ギアドモータは出力軸から回転数を落とすことでトルクの力を増幅することができるため、とてもパワフルです。
小型モータは、エアコンや冷蔵庫、パソコン、プリンタなどの家電のほか、自動車の電子機器、ATMなど、日常生活に密接した身近なところに使われています。
大型モータは、おもに重化学工業から軽工業、自動車製造や半導体製造などの大規模製造業で使われています。消費電力も大きく、産業分野の約4分の3がモーターによる出力消費といわれており、環境負荷を軽減するためにモーターの省エネ化が進められています。
DCモーターの寿命は、モーターが動かなくなったから?寿命の目安と、寿命に関わる部品、寿命に影響を与えてしまうものについてまとめました。また、ブラシレスDCモーターがブラシ付きDCモーターよりも寿命が長い理由についても解説します。
DCモーターとACモーターとでは、どこに違いがあるのでしょうか。駆動電源(直流モーター・交流モーター)や回転速度、トルクについて解説しています。また、DCモーターとACモーターどちらを選択すればよいのかもまとめていますので、参考にしてください。
DCモーターはどのように制御すればよいのでしょう。DCモーターを回転数の制御方法についてまとめました。近頃では、駆動電圧の制御は、マイクロコンピューターが主流になったようです。駆動電圧(リニア方式・PWM方式)についても解説していますので、参考にしてください。
DCモーターは大きく分けて「ブラシ付きDCモーター」と「ブラシレスDCモーター」の2種類。DCモーターは、電化製品から工業用の大型プラントまで、さまざまな分野で導入されています。DCモーターの構成と構造についてまとめました。
制御用モーターとして優れているDCモーター。DCモーターの特性は、起動トルクが大きい、低価格など。トルクと電流の関係やトルクと回転数について解説しています。特性としての欠点はあるのでしょうか。欠点についてもまとめました。
DCモーターを選ぶためには、まずは用途を明確にすることが重要です。風を作るのか、動力を生むのかによって選ぶモーターの種類が異なります。またトルク・コスト・サイズなどの性能も選ぶための大切なポイントになるでしょう。
扇風機でDCモーターを採用するかどうかは、普段の使い方やニーズを考えた上で判断することが大切です。細やかな風量調整ができる、電気代といったランニングコストを重視する消費者向けにするなら、DCモーターが向いているでしょう。
チョッパ制御とは、電流のONとOFFを高速で繰り返すことによってONとOFFの時間を制御して、任意の電圧値を取り出す制御方式のことです。主に電車の主電動機を制御する際や、直流安定化電源(ACアダプタ)などに用いられています。
自動車のバッテリーには直流モーターが適していたため、従来の電気自動車にはDCとACモーターの両方が使われていました。しかし、技術の進歩によって交流の周波数を自在に制御できるようになり、今ではACモーターを用いるのが主流となっています。