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モーターの省エネで電力コスト削減と導入のポイント

モーターは産業分野における主要な電力消費機器であり、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)によると、モーター(主に三相誘導電動機)による消費電力量は世界全体の約40〜50%※1を占めるとされています。

※1 参照元:一般社団法人日本電機工業会:https://www.jema-net.or.jp/randb-archives/DS5238_202111.pdf

本記事では、モーターの省エネを実現する主な方法やメリット、導入時に確認すべき注意点について解説します。

モーターの省エネ化を実現する主な方法

モーターの省エネ化には、大きく「高効率モーター(省エネモーター)への更新」と「インバータ制御の導入」の2つのアプローチがあります。それぞれの仕組みと期待できる効果を確認していきましょう。

高効率モーター(省エネモーター)への更新

高効率モーターは、従来品に比べて熱損失が少なく、供給された電力を効率よく動力へ変換できる点が特徴です。モーターの効率はIEC規格(国際電気標準会議)に基づく「IEクラス」で分類されており、IE1(標準効率)からIE4(スーパープレミアム効率)まで4段階が定められています。IEクラスが1つ上がるごとに効率が約1%以上は向上(モーターの容量による)し、電力使用量やCO2排出量の削減につながります※2。

※2 参照元:東芝三菱電機産業システムhttps://www.tmeic.co.jp/product/rotating_machinery/motor/high_efficiency/about/

日本国内では、省エネ法に基づく「トップランナー制度」※3により、2015年度から三相誘導電動機にIE3(プレミアム効率)相当の基準効率が適用されています。老朽化したモーターを使い続けている場合は、IE3以上のモーターへの更新を検討する価値があるといえます。

※3 参照元:日立産機システムhttps://www.hitachi-ies.co.jp/products/motor/toprunner.html

インバータ制御の導入

インバータ制御とは、モーターの回転速度を負荷に応じて自動調整する技術です。必要な分だけの電力で稼働できるため、ポンプやファンなど流量・風量の変動が大きい用途で高い省エネ効果を発揮します。一般に、ポンプやファンの消費電力は回転速度の3乗に比例するため、回転速度を20%下げるだけで消費電力を約50%削減できる計算になります。

ただし、機器特性に合わせた適切なパラメータ設定が求められるため、導入時には専門業者への相談が重要です。

省エネモーターを導入するメリット

省エネモーターを導入する主なメリットは、以下の3点に整理できます。

省エネモーター導入時に確認すべき注意点

省エネモーターの導入にあたっては、事前にいくつかのポイントを確認しておくことが大切です。

まず、高効率モーターは定格回転速度が従来品より上がる場合があり、ポンプやファンなどの接続機器で消費電力がかえって増加する可能性があります。この場合はインバータ制御やバルブ調整による対策が必要です。

また、始動電流が従来品より大きくなる傾向があるため、既存の保護装置や遮断器が対応可能かを事前に確認してください。

さらに、モーター本体のサイズが大型化することがあり、設置スペースや周辺機器との干渉にも注意が求められます。導入前には現場の寸法確認と合わせて、据付図面の照合を行うことを推奨します。

省エネ設備導入に活用できる補助金制度

モーターを含む省エネ設備の更新には、国や自治体の補助金制度を活用できる場合があります。代表的なものとして、経済産業省・資源エネルギー庁が実施する「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」があり、高効率モーターやインバータの導入が補助対象に含まれるケースがあります。

補助金の要件や申請スケジュールは年度ごとに異なるため、検討段階で最新情報を確認することが重要です。設備メーカーやSIer(システムインテグレーター)に相談すれば、補助金申請の支援を受けられる場合もあります。

まとめ

モーターは企業の消費電力の大きな割合を占めており、IE3・IE4クラスの高効率モーターへの更新やインバータ制御の導入による省エネ化は、電力コストの削減と脱炭素に直結する重要な取り組みです。導入にあたっては、回転速度の変化や始動電流、設置スペースなどの注意点を事前に確認し、補助金制度の活用も視野に入れたうえで、自社の設備環境に適した方法を選定することが大切です。

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