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DCモーターの選び方

さまざまな製品にDCモーターを活用したいと考えたとき、どのように選んだら良いのか悩むこともあるでしょう。市場には数多くのモーターが存在しており、特徴も違うからこそ製品にあったモーターを選ぶことが大切です。このページではDCモーターの選び方について紹介します。

何に使うのか

モーターを選ぶとき、まずは使用目的で選ぶと良いでしょう。風を作る・動力を生むと言った使用方法ごとに最適なモーターを選んでみてください。

風を作るモーターを選ぶ場合

軸流ファン

軸と同じ方向に排気・給気を行うファンで、シンプルな送風・冷却・換気に使用したいのであれば、軸流ファンが向いています。シンプルなモーターなのでリーズナブルな価格も特徴的。

ブロワ

強い力で排気・給気を行う機械のことで、非常に静圧性に優れ、通風抵抗が高い装置の内部にも送風ができます。吐出口から一気に空気を送り出す仕組みなので、限定的に冷却したい時にも向いている機械です。軸流ファンだと排気の方向が対応出来ないケースにも使用できます。

遠心ファン

中央部にモーターが搭載され、そのモーターに羽根車を搭載したファンです。回転するときに放射線状の風をはき出すことができ、高い静圧性を誇ります。大型の装置の内部全体の排気・給気にも使用でき、吸い込み口と吐き出しの方向を90度変わるので軸流ファンが設置出来ない場所でも採用可能です。

動力を生むモーターを選ぶ場合

動力を生み出すモーターを活用したいときは、回転速度を一定にして動かすか、精密な制御が必要なのかが選ぶうえで重要なポイントです。できる限りコストをかけずに連続運転が行えればいいなら「ブラシ付DCモーター」が向いています。また位置決め精度が必要であれば「ステッピングモーター」「サーボモーター」を選ぶと良いでしょう。

その他モーターを選ぶポイント

使用目的でモーターの種類が決まれば、それぞれのモーターの性能を比較して選定していきます。どのような性能があるのか見ていきましょう。

出力回転数

1分間あたりに出力可能な回転数のことで、「min-1」「rpm」という単位であらわします。回転速度という場合もありますが、基本的な性能のひとつです。出力を決める重要な要素となります。

トルク

モーターによって発生する力のことで、トルクが高いほど負荷も強くなるということです。「Nm」という単位で表します。

位置決め精度

位置決め精度はステッピングモーターなど精密な操作性が求められるモーターに欠かせない性能です。エンコーダ付ステッピングモーターであれば、優れた位置決め精度が実現できるでしょう。「繰り返し位置決め精度」は位置決めを繰り返し行う際の誤差を表しているものです。

静粛性

製品の使用目的によっては静寂性が必要とされるケースもあるでしょう。駆動時の騒音を抑えることができれば、モーターの静寂性が高まります。基本的に電磁騒音・通風騒音・機械騒音がモーターか発する騒音で、電磁騒音は電磁力によって起こる振動によるものなので電流・回転速度を調整することによって対策可能です。また通風騒音は吸い込み・吐き出し口の形状の問題が要因となっているケースがほとんどなので、回転速度を抑えるなどの効果的な対策となるでしょう。最後に機械騒音は主に軸受けの振動によるものなので、品質の高いベアリングを搭載することで対策が講じられます。

コスト

モーター選びにはコストも重要な点です。コストは出力・サイズ・種類で変わり、永久磁石・電磁鋼板・軸受けの品質もコストに大きく影響を与えます。もちろん性能がアップすればするほど高額になりがちなので、求める性能にあったモーターを選ぶようにしましょう。もし長期的にモーターを使用するのであればメンテナンス性も考え、修理や交換などのランニングコストも踏まえて検討しなければなりません。

サイズ

どんなに性能・コストがニーズに合っているモーターであっても設置スペースに合っていなければ意味がありません。外形・高さ・長さのほかにも形状も考えてモーターを選ぶようにしましょう。カタログなどに記載されているサイズや外観図なども参考にしてください。

エネルギー効率

エネルギー効率とは、入力電力に対する機械出力の割合(%)です。エネルギー効率が高いモーターはランニングコストの削減にも寄与します。また、トップランナー制度によって省エネ製品の普及が進んでいる背景を踏まえると、より高効率なモーターを選定していくことが推奨されます。

寿命

どんなモーターであれ寿命はあります。長期間トラブルなく動作していてもモーターの設計寿命をオーバーして使用すると、突然故障するリスクが高まるでしょう。軸受けの寿命に大きく影響すると言われており、グリース劣化・転がり疲れなどが要因です。また電子回路つきのモーターであればコンデンサの寿命が関わっており、ギアボックス付のモーターなら歯車の寿命が影響します。

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