このページでは、小型DCモータ・大型DCモータそれぞれの違いや用途について説明していきます。
DCモータとは「Direct Current motor(直流モータ)」のこと。DCモータの小型・大型は物理的な大きさではなく、出力の高低大小で分類されています。そのうち、出力が100W以下のモーターが小型モータで、ブラシレスモーター、直流モータ、同期モータ、誘導モータなどが該当します。
モーターは少ない消費電力で高い出力を出せるほど効率がよく、省エネ性能を発揮。そのため、ますますエコ性能が求められている現代社会において、小型モータはよりニーズが高まっています。
一方、大型モータは101W以上の高出力モーターのことです。小型モータに比べると出力が高いぶん、消費電力量が大きいのが特徴。そのため、省エネ法の制約をうけて性能を規制されている機種もありますが、その規制基準をクリアした大型モータがトップランナーモータと呼ばれています。
日本の電力消費の約55%、産業分野だけに絞ると実に消費電力の約75%がモーターによる消費といわれていますから(経済産業省・資源エネルギー庁の試算)、トップランナーモータに置き換えることで大幅な節電・倹約効果が期待できるでしょう。
小型モータは、主にエアコンや冷蔵庫などの家電製品や自動車、音響機器や産業機器などに搭載されています。
空調機器の一種である除湿器やファンヒータ、自動販売機の加温・冷却や、給湯器のガス燃焼用の空気送風にもファンモータが使われており、ATMの硬貨・紙幣の入金・払出に使われるベルトやギヤにも小型モータが活躍。
小型モータはプリンタや複写機、健康機器や住宅設備など、周りを見渡せばさまざまなところに隠れていて、毎日のように使っている機器の中にも存在します。小型モータは、もはや私たちの日常生活に無くてはならないものと言っても過言ではないでしょう。
一方、大型モータは重化学工業や自動車製造、軽工業、半導体製造などの産業分野で活用されることが多いです。具体的には生産ラインのベルトコンベアや空調設備のファンをはじめ、コンプレッサ、プレス機などで使われています。また、工業用水の汲み上げポンプなどにも大型高効率モータが用いられています。
そのほか、繊細な動作が求められる産業用ロボットにも高効率のサーボモータが搭載されるなど、産業分野で幅広く使われているのが特徴です。
特定の用途に応じた最適なモーターを選ぶためのポイントを紹介します。
DCモーターの基本構造や動作原理、ブラシ付きとブラシレスのメリット・デメリットについて解説します。
種類 | 特徴 |
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ブラシ付きDCモーター | 低コストでDIY向き、ブラシの摩耗によるメンテナンスが必要 |
ブラシレスDCモーター | 長寿命でメンテナンスフリー、産業や医療機器に適する |
小型DCモーターの基本的な制御方法やPWM制御の応用について、初心者向けに解説します。
小型DCモーターのメンテナンスや故障時の対処法について説明します。
小型DCモーターの選定基準について、トルク・回転数や静音性、振動抑制など、具体的なポイントを解説します。