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ギアドモータとは

ギアドモータと言えば、食品加工機や立体駐車場、木工機械など幅広い分野で使用されていることで知られています。当記事では、ギアドモータの特徴や必要な理由について詳しく解説して行きます。モーターを探している製造メーカーの設計担当の方はぜひ参考にしてください。

ギアドモータの特徴

ギアドモータは、ギアとモーターが組み合わされた装置のことを指します。ギアとモーターを合わせることで、回転数やトルクを思い通りに設計できるのが特徴です。

ベルトプーリーと比較すると、摩擦による音が小さく、メンテンナンスも手軽に行えます。ギアドモータは、食品加工機や立体駐車場、木工機械など幅広い分野で使用されています。

また、小型のものから大型の製品までさまざまなサイズが展開されていることが特徴として挙げられます。電磁ブレーキ付きの製品やステッピングモーターを利用しているものなど、さまざま展開されているのも特徴の1つです。

ギアドモータが必要な理由

続いてなぜギアドモータが必要なのか説明していきます。ギアドモータの必要性について理解するためには、モータについても把握しておく必要があるので、チェックしてみましょう。

モータとは、電動機やモーターなどと呼ばれることがあります。産業機械で用いられるモータにはさまざまな種類があり、広く知られているモータは、三相誘導電動機と呼ばれる商品です。

モータは、電源周波数によって1分間でどのくらい回転するか決まってきます。一般に広く用いられている4極のモータの場合、電源周波数は東日本地区50Hz、西日本地区60Hzとなっており、東日本地区では1500min-1(1分間に1500回転)、西日本地区では1800min-1(1分間に1800回転)の回転速度で回転すると言われています。

工場などでベルトコンベアに製品が乗せられて、移動しながら作業していたと想定します。上述したモータ回転速度で運転した場合、非常に速いスピードでコンベア上の商品が移動するため作業は困難です。そのような場合に、一定速度で回転するモータの代わりに、ギアドモータを使用することによって回転速度を落とすことが可能なのです。

以上のことから、モータから得られる回転を用いる際には、減速機構を利用したギアドモータが必要となります。

モータ回転速度の計算式は以下の通りです。

参照元:設備プロ王国

ギアドモータ使用の注意点

ギアドモータを使用する際には、いくつかの注意点があります。安全に使用するためにも要点を確認しておきましょう。

使用する環境や条件を守る

ギアドモータを使う際は、燃えやすいものを近くに置かないよう注意しましょう。発火や爆発を引き起こす可能性があります。引火しやすい有機溶剤や爆発性粉体を使用する環境では、防爆仕様のギアドモータを採用しましょう。

ギアドモータの昇降機で物を移動させる場合は、機械側に安全装置を付けるのも忘れずに。また、昇降機を使った人の移動は建築基準法で禁止されているので、くれぐれも乗らないよう注意してください。

屋外で使用する際は、防水機能が搭載されている屋外用のギアドモータを用意しましょう。屋内仕様のギアドモータを屋外で使用した場合、潤滑不良や漏電などのリスクが生じます。大事故に発展する危険性もあるため、使用する環境や条件は厳守しなければなりません。

さらに、出力軸に取り付けられているオイルシールからの異物侵入や発錆は、グリース漏れの原因に。破水が起こる可能性のある環境では、防水・防塵使用のギアドモータを使いましょう。

安全かつ確実な配線工事を実施

ギヤードモータを結線する際はアース工事を行ったうえで、専用の漏電遮断器を取り付ける必要があります。各電力会社内線規定ならびに電気設備技術基準を遵守し、安全かつ確実に配線工事を行いましょう。

また、ギアドモータを配線・設置する際は、火災のリスクを回避するためにもモータ保護装置を設置してください。指定電圧の電源を守るのも重要です。電源ケーブルとの結線は、ギアドモータに貼り付けられている結線図もしくは取扱説明書を確認しながら作業を進めましょう。

正しい操作を守って運転する

ギアドモータを運転する際は、許容始動頻度や許容不可トルクを超えないよう注意してください。また、当止めをはじめとした停止時に大きな衝撃トルクが発生する用途には使用できません。

万が一、ギアドモータの運転中に振動や異常音などがみられた場合には、すぐに運転をストップし、メンテナンスやオーバーホールを行います。さらに、やけどやケガなどのトラブルを防止するためにも、運転中のギアドモータには触らないでください。

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