位置や速度をコントロールしやすいことから、根強いニーズを持つACサーボモーター。産業用のロボットや機械を始め、幅広い分野で利用されています。ここでは、ACサーボモーターの特徴やメリット・デメリット、仕組みについて詳しく解説します。
サーボモーターとは、自動制御装置によって位置や角度、速度をコントロールできるモーターの総称です。モーター(駆動部)とコントローラー(司令部)、サーボアンプ(制御部・サーボドライバーとも)の3つをセットにしたものはサーボ機構と呼ばれます。
サーボモーターは回転数をコントロールできるため、制御が必要な機械や機構で多用されています。また、回転時の位置や角度などの情報をフィードバックすることで、より柔軟な制御が可能になります。柔軟に制御できる特徴から、半導体の製造装置やファクトリー・オートメーション用ロボット、医療機器のほか、アミューズメント分野でも用いられています。
サーボモーターは、位置や速度を柔軟に制御できるほか、トルクや回転数の高さがメリットといえます。また、エンコーダーによる動作の監視が行われるため、外力で位置が多少ずれても修正できます。高速動作も可能で、脱調のリスクも低めです。
サーボモーターは制御機構が複雑で、一般的なモーターと比べてコストが高い傾向があります。高い電圧も必要となるため、利用場所にも注意しましょう。
ACサーボモーターを動かすには、コントローラーやサーボアンプが必要です。ACサーボモーターは、磁極位置を把握するため、内部にエンコーダという部品が設置されています。エンコーダには、ゼロ信号とパルスを検出するスリットがあります。このゼロ信号の位置からパルスをカウントすることで、磁極位置を把握できるようにしています。
エンコーダからの信号を取り込み、制御するのがサーボアンプです。内部には演算処理を行うマイコンが設置されており、ACサーボモーターの動きに関わっています。サーボアンプは、エンコーダの信号からモーターの回転数や方向、停止位置などを制御し、コントローラーとの司令との違いを確認します。
位置や回転数などの細かい指示を送る部分がコントローラーです。コントローラーの形状は多種多様で、デジタルスイッチやシーケンサーなどがあります。また、パソコンもコントローラーの一つです。コントローラーはサーボアンプに司令を送り、その結果をサーボアンプからフィードバック信号として受け取っています。
サーボモーターとステッピングモーターの大きな違いは柔軟性です。サーボモーターは、回転位置を検知し、修正できます。ステッピングモーターは修正できません。
サーボモーターとの大きな違いはその点です。ステッピングモーターを動かすには、プログラムを通してコントローラーに指示します。コントローラからドライバーが信号を受けると、モーターが動作する仕組みです。
動作過程自体の基本はサーボモーターとステッピングモーターに違いはありません。ただ、ステッピングモーターはエンコーダがないのです。指示通りの動きができない場合、すぐに対処と修正はできません。
モーターへの細かな指示を設定するという手間がかかります。サーボモーターはエンコーダがあるため動作状況と高精度な制御ができるのです。修正が必要ならすぐに対処できるのもメリットでしょう。