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ACモータの種類

ACモータの種類を大きく分類すると、「整流子型モータ」、「同期モータ」、「誘導モータ」の三つに分けられます。ここでは、ACモータの種類について詳しく解説していきます。

整流子型モータ

整流子型ロータとは、ロータとして整流子型ロータを使用したモータのことです。電動工具や電気掃除機など、高速運転が求められる製品に多く使用されています。整流子モータで考慮しなければならないことが二点あります。

まず、整流子型モータの場合、変動する磁束によって発生する渦電流を、鉄心を絶縁積層して軽減する必要があります。次に、直流の場合の電圧降下は、抵抗による降下のみでしたが、交流の場合では、電磁誘導による位相ずれが生じることで力率が悪化し、出力が減少する点に考慮しなければなりません。

同期モータ

同期モータとは、回転速度が同期速度に等しいモータのことを言います。同期モータの中には、「リラクタンスモータ」、「ヒステリシスモータ」、「インダクタ型モータ」の3種類のモータがあります。

リラクタンスモータ

リラクタンスモータとは、始動時には誘導モータとして回転をはじめ、運転時になると電源周波数に同期して回転するモータです。軌道トルクが比較的大きく、リアクションモータとも呼ばれています。回転子には、強磁性の鉄心が使用されており、永久磁石は使用しません。応用範囲が広く、幅広い分野で使用されています。回転速度が50Hz地帯と60Hz地帯で異なる特徴があります。

ヒステリシスモータ

ヒステリシスモータの回転には、ヒステリシス特性が利用されています。特殊なヒステリシスリングが使用されているため、限られたメーカーでなければ製造できません。振動が少なく、回転力が均等な特性を活かして、テープレコーダーなどに使用されています。

インダクタ型モータ

インダクタ型モータは、記録計や複写機、バルブ開閉などに多く使用されるモータです。電磁石に流す電流に、ロータの動きを同期させ、吸引と反発によって回転運動に変えていきます。ロータ構造から、「クローポール型」と「ハイブリッドステッピングモータ型(超低速同期モータ)」の2種類に分類されます。

誘導モータ

誘導モータは、非同期モータとも呼ばれるもので、回転速度は同期速度より遅いのが特徴です。ここからは、誘導モータの種類である、「かご型誘導モータ」、「過電流モータ」、「巻線型誘導モータ」、「単相誘導モータ」、「コンデンサモータ」、「くま取りコイル型単相誘導モータ」について解説します。

かご型誘導モータ

現在誘導モータの主流となっているのが、かご型誘導モータです。安価で堅固な特徴があることから、広い分野で使用されています。かご型誘導モータのロータには、かご型が使用されており、かご型導体の形状や材質を調整することで、特性曲線の調整ができます。

渦電流モータ

過電流モータのロータには、軟鋼ロータが使用されます。主要材料は、円筒状の鉄の塊です。起動時には大きなトルクが発生し、速度が上昇するとトルクが低下します。

巻線型誘導モータ

巻線型誘導モータは、大型モータに使用されることが多く、巻線型ロータが使用されています。巻線型ロータは、ブラシによって通電するための、3本のスリップリングがあります。スリップリングを通じて接続した可変抵抗器によって、モータの特性が変化します。トルク特性を操作できるという利点があります。

単相誘導モータ

単相誘導モータは、単相交流電源であり実用的なモータです。出力が数W~数百W程度のモータが、家庭用・農業用のモータとして広く使用されています。単相誘導モータのなかでは、コンデンサモータとくま取りコイル型単相誘導モータが使われています。

コンデンサモータ

コンデンサモータを分類すると、「コンデンサラン型モータ」、「二値型コンデンサモータ」に分けることができます。コンデンサモータは、始動トルクの小さいものに多く用いられており、家電製品や工業用途として使用されています。簡便で低コストなことから、広いシーンで使用されるモータです。

くま取りコイル型単相誘導モータ

くま取りコイル型誘導モータは、短絡された補助巻線を持つ誘導モータです。構造が簡単なので、小容量の製品に用いられますが、効率はそれほど良くありません。

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