永久磁石(PM)型と可変リラクタンス(VR)型ステッピングモーターの利点を掛け合わせ、高トルクと高分解能を両立しているのがハイブリッドモーターです。「開ループ制御でも精度を実現しつつ、コストを抑えられる」ことが魅力です。例えば、ローターに希土類磁石を用いて磁束密度を高め、歯部ピッチを細かく刻むなどの設計を行い、細かな制御が効くように開発されています。
半導体露光装置や医療分析装置のシリンジポンプなど、ミクロン級位置決めが要求されるBtoB分野で幅広く採用されています。自動化やロボティクス、CNC機械などでも必要なため、今後も採用の拡大や市場成長が見込まれているといっても差支えないでしょう。
ハイブリッドモーターの特徴は「高位置精度・高トルク・保持力」を開ループで実現できる点です。サーボモーターに比べ制御系が簡素で、導入・保守コストを大幅に抑制できます。
短所として、高速域と熱管理に課題があります。
1960年代後半、NC工作機械やプリンターの低コスト高精度位置決め需要の高まりを受け、PM型とVR型の短所を補完する形でハイブリッドモーターが誕生しました。結論として「サーボを使うほどではないが高精度が欲しい」という市場ギャップを埋めるために開発されたのです。
当時のサーボモーターは高価で制御系も複雑だった一方、PM型はトルク不足、VR型は分解能不足という課題がありました。ハイブリッド構造により両者の磁気回路を統合し、分解能を1.8°/stepへ、トルクを同クラスPM比で2〜3倍まで向上。1973年に米国で発売されたハイブリッドステッピングモーターは工作機械の送り軸で即座に普及し、今日ではFA・医療・バイオ・航空宇宙など多岐に展開しています。
産業用のハイブリッドモーターには、2相や3相、特定のニーズに応じたそれ以外もあります。2相が一般的なハイブリッドモーターで、コスト面からも使い勝手が良く、多くの機械に採用されています。