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モーターの保護機能

モーターをしっかり守ることは、モーターの寿命を延ばして安定して動かすためにとても大切です。過負荷やショートといった問題が起きたときにモーターをどう守るかは、トラブルを防いで効率よく使うために大きな影響を与えます。この記事では、モーターを守るためのブレーカーやサーマルリレーなど、主要な装置について紹介します。

遮断器の役割とモーターの保護

モーターを守るための基本的な装置の一つに「配線用遮断器(MCCB)」があります。遮断器は、モーターや他の電気機器に過負荷やショートが起きたときに、異常な電流を遮断して機器や配線を守ります。過電流が流れると、配線やモーターが熱を持ち、最悪の場合には壊れたり火事になることがあります。そのため、遮断器はモーターをしっかり守る大切な役割を持っています。

また、遮断器には「選択遮断」という方法があり、過電流の大きさに応じて電流を止めるタイミングを変えています。大きな過電流はすぐに遮断し、中くらいの過電流は少し時間が経ってから、小さい過電流はもっと時間をかけて遮断するようにできています。このように、状況に合わせて柔軟に対応できます。

モーター専用の保護装置:モーターブレーカー

モーターブレーカー(MB)は、特にモーターが動き始めるときの大きな電流に対応するために作られた遮断器です。

モーターブレーカーは、モーターの出力に合わせて選ぶことができ、正しいモデルを選べば簡単に使うことができます。ただし、モーターの特性や使う環境によってはモーターブレーカーだけでは十分に保護できないことがあります。その場合、普通の遮断器とサーマルリレーなどを組み合わせて追加の保護をする必要があります。

サーマルリレーによるモーター保護

サーマルリレー(熱動継電器)は、モーターを過負荷や欠相から守るための大切な装置です。モーターに過剰な負荷がかかったり、三相電源のうち一つが途切れると、モーターがうまく動かなくなり、過電流が流れてしまいます。このような状態が続くとモーターの寿命が短くなり、最悪の場合は壊れてしまいます。サーマルリレーはこの過電流を見つけて、モーターを守るために電流を止めます。

モーター保護のための適切な選択

モーターを過負荷やショートから守るためには、遮断器、モーターブレーカー、そしてサーマルリレーといった保護装置を正しく組み合わせて使うことが必要です。モーターの特性を理解し、それに合った保護装置を選ぶことで、安定した運用が可能になります。機器の信頼性を高め、トラブルを未然に防ぐためにも、正しい保護装置の選択と導入を心がけましょう。

モーターの保護についてもっと詳しく知りたい人や、どの製品を選べばいいのか迷っている人は、専門家に相談したり、メーカーのカタログを確認することをおすすめします。正しい知識と選び方が、トラブルの少ないモーターの運用のカギです。

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