ACモーターを作動させたら変な音が…もし異音が聞こえた場合、速やかに原因を特定しましょう。異音の種類によって原因は異なりますが、放置するとモーターが壊れてしまうおそれがあります。ここでは、ACモーターの異音の原因と対処方法をご紹介します。
まず挙げられる原因はゴミの混入です。モーターの回転数を変えても音が変わらない場合や、ザーザーという音がする時は、ゴミが入っていないかチェックしましょう。対策方法としては、ゴミの除去やグリスの補給などが挙げられます。
ACモーターからうなり音がする時は、速度変化が原因の可能性があります。例えば、回転数が一定以上になると音が大きくなる、速度に合わせてサイレンのような音が鳴るなどの現象が出たら、速度変化による影響と考えてよいでしょう。
うなり音がする要因は、軌道面や玉などの振動(ビビり)、軌道盤や軸の形状不良などです。共振が発生している可能性もあります。いずれも部品の異常や不具合が影響していますので、精度をチェックしてみましょう。部品の摩耗を防ぐために、こまめなグリスの補給も必要です。
カラカラと乾いた音や、キュルキュルと高い金属音がする場合、グリスの不適か摩擦が影響していると考えられます。グリスが不足して部品がスムーズに動かなかったり、摩擦が強くなったりすることで異音が発生します。
もし気温が低くなった時にカラカラと音がするなら、グリスの不適を疑ってみましょう。定期的なグリスの補給はもちろん、場合によってはグリス自体を別のものに変えることが必要です。他には、保持器のポケットが摩擦している可能性もあります。
金属音に関しては、グリス不足のほかにモーター内部の隙間不足が疑われます。グリスを補給するだけでなく、ハウジングなど部品の精度のチェックも行いましょう。
シャーと音がする時は、軌道面が荒れている可能性があります。ベアリングの状態をチェックし、必要であれば交換してみましょう。
シャーという音が断続的に発生する場合、ラビリンス部または保持器とシールの接触が疑われます。どのような状態になっているか、一度確認してみましょう。対策としては、ゴミの除去と侵入防止策、定期的なグリスの補給が挙げられます。
ACモーターからゴリゴリと音がする場合、軌道盤や玉など内部部品のキズや、ゴミによる変形が生じているおそれがあります。放置すると、部品が破損しかねないので注意しましょう。モーターを分解してゴミを取り除き、グリスの補充が必要です。部品の損耗が激しい場合、部品を新品に交換しましょう。
電磁騒音の対策を考える上でのポイントは、ステータの固有振動数と電磁力の周波数を不一致にさせることです。騒音は電磁力の振動が増加すれば大きくなります。ステータの固有振動数を高精度で予想できれば騒音を抑えられるのです。
通風も騒音の発生要因ですが対策はできます。複数のファンがあるモーターだと、一番大きい騒音を出すファンに着目して対策をしてください。機械自体の騒音は、発生要因を特定することが重要です。その上で保守しましょう。