ギアドモータとは、モータと減速機を融合して1つにした商品のことを指します。モータにギアドモータ専用の減速機を組み合わせて1つにすると、スペースを省いたり大きなトルクを得たりすることが可能だと言われています。
ここでは、ギアドモータの原理や構造について詳しく説明していきますので、モータを探している設計担当の方は、ぜひ参考にしてください。
まず、ギアドモータの原理について解説していきます。
ギアドモータは、モータと減速機で成り立ちます。モータは高速で回転しているのに対して、歯車を組み合わせて回転数をコントロールしているのが減速機です。
ギアドモータは、減速機によって回転数が少なくても高トルクとなるのです。産業用のモータは、三相誘導タイプのものが多く使われています。誘導モータの定格回転速度は、周波数と極数によって定まっており、ギア比を調節して回転数とトルクが決まるのです。
ギア比は、モーター回転軸と減速機出力回転軸が回転する比率のことです。この比率を大きくするほどトルクが高くなっていくのが特徴。ギアとモーターの場所によって、平行軸または直行軸なのかが決まります。
ここでは、ギアドモータの基本構造について説明します。
ギアケース内に組み込まれている出力軸や歯車、ベアリング、オイルシールが主な構成部品である減速機部と、第1歯車と言われるモータ軸からなるモータにて構成されています。
構造の特徴的な部分についてですが、モータ部分と減速機部を1つにしたものがギアドモータです。融合して1つにするためには、減速機部分の入力軸の中を空の状態にしてからモータの出力軸を入れていきます。
上記については、ヘリカルギアタイプの減速機部であり、平行軸タイプのギアドモータになるのです。モータが動き始めると、第1の歯車が回転し始めます。すると、重なり合っている第2歯車まで回転が伝わり、第3から第4の歯車へと伝達していくのだと言われています。
第4歯車は、減速機部の出力軸と噛みあうことによって融合しているので、出力軸の回転とタイミングが合うのです。その他、各軸にかかるラジアル荷重を受け止めるための各種軸受とそれらを固定するためのストップリング、出力軸からの油漏れなどを予防できると言われているオイルシールやパッキンなど、さまざまな部品によって構成されているのです。